跡継ぎ相続について

●跡継ぎ相続とは
親と同居し家や家業、墓等を引き継ぐ跡取りの相続人が親の遺産の殆どを相続し、家を出て独立した相続人は、ハンコ代や形見分け程度の遺産を相続する。という遺産の分け方が地域の慣習(一般に受け入れられたしきたり)としてあります。

このような遺産の分け方を当ホームページでは「跡継ぎ相続」と表現します。このような跡継ぎ相続は、今でも多くの地方で行われていると感じます。

●ハンコ代とは
跡継ぎが家を出て独立した相続人から遺産相続の書類にハンコをもらう際に支払われる対価です。法律上の規定はありません。事実上遺産を放棄することに対する代償という意味で支払われる対価です。

相続人同士の年齢が比較的若く、交流がある場合は低額または全く支払われない場合もあります。相続人同士の年齢が高く交流がない場合には、相続人間の経済格差や過去の付き合いの程度などにより様々です。

ハンコ代は遺産相続について非常に多い質問です。現在、当事務所ではハンコ代について実態調査をすすめています。
ご質問はこちらからどうぞ。

●山形県では非常に多い
当事務所で扱う遺産相続の殆どが「跡継ぎ相続」です。山形県は全国でも三世代同居率がトップであり、また、農業が盛んであることも一つの要因と考えられます。

農地が遺産に含まれるケースも多いため、農業に従事していない相続人が家業である農業を引き継いだ相続人に田畑を相続させることは十分に理解できるものです。しかし、それだけではないと思います。

「家を継ぐ」ということは、先祖から受け継がれた親戚や地域との繋がりなど、目に見えない大変な気苦労も引き継ぐことです。そこで家を出た相続人は、家を継いだ相続人が一人で背負ったその気苦労に感謝し、後を継いでいることを評価していることが「跡継ぎ相続」を受け入れている一因と感じます。

●法律の扱いは?
しかし、この「跡継ぎ相続」は法律では全く定められていません。あくまでも相続人全員の相互理解で成り立つ相続形態です。

そのため、相続人全員の理解が得られないと「跡継ぎ相続」は成り立たず、法律で決められた相続分で分けることになります。この慣習が受け入れられるかどうかは、跡継ぎの苦労をどう評価するかにかかっています。

●跡継ぎ相続をスムーズに進めるために
当事務所で扱う相続の殆どが跡継ぎ相続です。そして、依頼に来られる方は殆どが跡継ぎの方です。

跡継ぎの方に遺産相続に必要な書類をお渡しして、書類が戻ってくるのを待つことになるわけですが、依頼を受けた1~2割の方が相続人の一部からハンコを押してもらえず、相続手続が中断しているのが現状です。

そのようなことを少しでも防ぐため、当事務所では「はじめての遺産相続」「跡継ぎ相続を考える」というオリジナル小冊子を作成いたしました。

当事務所では、多くの経験から「跡継ぎ相続」をスムーズに進められるよう、当事務所が作成したオリジナル小冊子「はじめての遺産相続」「跡継ぎ相続を考える」を差し上げます。

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